閉経後のダイエットで内臓脂肪を減らす方法とは?動脈硬化リスクの理由は?
女性は閉経すると女性ホルモンが激減するため体型が変わったり、病気のリスクが高まったりします。そのため、閉経後は様々なリスクを考慮したダイエットやトレーニングをすることをおすすめします。
閉経すると生活習慣病リスクが上昇する
エストロゲンには血管をしなやかに保ち、動脈硬化を予防したり内臓脂肪を分解しやすくする働きがあります。女性の生活習慣病が男性より少ないのはこのエストロゲンの作用が大きな理由です。
しかし、閉経するとエストロゲンの分泌が激減してしまうため血管や骨がもろくなったり、脂質異常症や動脈硬化、糖尿病など生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
そのため、女性は更年期以降は特に正しい運動や食生活をこころがけ、生活習慣病や骨粗しょう症を予防することが大切です。
閉経すると内臓脂肪が増えてお腹周りが太くなる
閉経前の女性は、女性ホルモンの影響で男性に比べて皮下脂肪はつきやすいのですが、内臓脂肪はつきにくくなっています。
それは、エストロゲンが内臓脂肪の蓄積を防ぐ働きを持っているからです。
そのため、閉経してエストロゲンの分泌量が減ってしまうと、女性も男性と同様に内臓脂肪がたまりやすくなってきます。若いころは太ももやお尻に脂肪がつきやすく洋ナシ体型に悩まされる女性が多いのですが、閉経後はお腹まわりが太くなるリンゴ体型になる方も多くなってきます。
内臓脂肪が増えると危険な理由はこちらの記事から→なぜ太ると生活習慣病にかかりやすいの?肥満になると病気になりやすい理由
閉経すると動脈硬化リスクが高まる
エストロゲンには血管拡張作用や血管をしなやかに保つ働きがあります。そのため閉経すると、動脈硬化のリスクが高まってしまいます。
動脈がかたくなると、血管のしなやかさが失われ、血液をうまく送り出すことができなくなり心臓に負担がかかります。
また、血管の中が狭くなったり詰まりやすくなるため必要な酸素や栄養がいきわたらず様々な臓器にダメージが出る可能性があります。さらに血管が詰まったり破裂すると心筋梗塞や脳梗塞、脳出血といった深刻な病気の原因にもつながります。
動脈硬化は自覚症状がなく、気がつかないまま進行してしまうこともあるため、普段から定期的な検診を受け、正しい食事と適度な運動をして、予防することが重要です。
閉経すると骨が弱くなる
エストロゲンは骨を増やす骨芽細胞の働きを助け、骨を減らす破骨細胞の働きを抑えます。そのため閉経後の女性は骨粗しょう症リスクが高くなることが分かっています。
骨粗しょう症は運動や食生活で予防することができます。運動不足になってしまうと骨への刺激が減り、骨粗しょう症になりやすいことが分かっています。骨への刺激があるジョギングや筋力トレーニングがおすすめですが、ウォーキングでも効果が期待できますので、こまめに身体を動かすようにしましょう。
骨粗しょう症についての詳しい記事はこちらから→骨粗しょう症は老化を促進する!運動で骨から出る若返り物質「オステオカルシン」を増やそう!
閉経後の女性はトレーニング効果が出やすい
閉経すると今まで身体を守ってくれていたエストロゲンの分泌が減ってしまうため内臓脂肪が蓄積しやすくなったり、動脈硬化になりやすくなったりしますが悪いことばかりではありません。
閉経後は当然ですがプロゲステロンの影響で起こる生理前の痩せにくい期間がなくなります。言ってしまえば男性の身体に近くなるため、一年中「痩せ期」になるのです。女性ホルモンの影響も受けづらいため、トレーニング効果も表れやすいというメリットもあります。
月経のある女性は妊娠や出産に備えて子宮に近い部分に脂肪をため込む必要があるため太ももやお尻に脂肪がつきやすい体質になっています。(子宮の周りに脂肪がつくと胎児の成長の妨げになるため内臓脂肪はつきにくいのです)
そのため、閉経後に女性ホルモンが減るとお尻や太ももの脂肪が減ってきます。女性ホルモンが減るため筋肉もつきやすくなります。
つまり、閉経後の女性はトレーニングの効果が出やすいのです。正しい食生活とトレーニングを行うと身体はきちんと変化します。若い時よりもスタイルがよくなる方もいるくらいです、年だからと諦める必要はありませんよ!
自分の年齢に合わせた正しいダイエットをしよう
閉経後の女性は、骨を強くする運動をしたり、血管をしなやかにする食生活を心がけるようにしましょう。太りすぎると内臓脂肪が増えてしまうため、体重が増えすぎないようにコントロールすることも大切。特に閉経後の女性がダイエットやトレーニングをする際におすすめなことを7個紹介します。
①動脈硬化予防のために糖質を食べすぎないようにする
高血糖状態は血管をボロボロにして、動脈硬化の原因になります。糖尿病の患者さんは動脈硬化になる確率がとても高いのですが、高血糖が原因の1つと言われています。ご飯やパン、うどんなどの主食の量を減らしたり、甘いものの食べすぎに注意しましょう。血糖値を安定させることは血管の健康にも良いことがわかっています。また、質の悪い油も動脈硬化の原因になります。揚げ物やスナック菓子の食べすぎに注意して質のいい油を摂ることを心がけましょう。ナッツやオリーブオイルなどがおすすめです。
②ジャンプ運動など骨を刺激するトレーニングを取り入れる
骨を強くするためには骨に衝撃がある程度かかるジャンプスクワットやジョギングなどがおすすめです。自宅で無理なく何かを取り入れたいな、と思ってる方に特におすすめなのはラジオ体操第2!ジャンプする動作とストレッチがバランスよく入っています。YouTubeを見ながらやってみるのはいかがでしょうか?3分程度で終わりますので気軽にできて負担になりません。
③強度の高すぎるウエイトトレーニングは控える(血圧が上昇しすぎるリスクがあるため)
筋力トレーニングも注意が必要です。長い目で見ると筋力トレーニングを行うと血圧は下がる傾向にありますが、無理な筋力トレーニングを行うと逆効果になってしまいます。強度の高すぎるウエイトトレーニングを行うと血圧が一気に上がることが分かっています。
重量挙げの選手が行うような高強度の筋力トレーニングを2か月間実施した研究で、若者の血管があっという間に10歳分くらい硬くなったという研究結果も出ています。 筋力トレーニングを行う場合はまずは軽めの重さで回数を多めにやることをおすすめします。息を止めると血圧が上がってしまいますので、呼吸を止めないで行うこともポイントです。本格的な筋力トレーニングをしたい場合はやはりプロのトレーナーに見てもらい安全で最適な強度で行うのが安心でしょう。
④ストレッチを行い血流を促して血管をしなやかに保つ
ストレッチは筋肉を伸ばすと同時に血流がよくなるため血管をしなやかに保つ効果があります。ヨガやゆっくりと行うストレッチもおすすめですが、ジャンプ運動の時にも紹介したラジオ体操第2なら一度に骨の為の運動と血管をしなやかに保つストレッチができます。
ラジオ体操第1と両方通して行えばさらに血流が良くなり全身スッキリしますよ!両方行っても約6分、毎日の習慣にしてみてはいかがですか?
⑤ウォーキングなど有酸素運動を積極的に行う
有酸素運動は内臓脂肪を減らすのに効果的です。ウォーキングなどなるべく歩くようにできるといいのですが、なかなか外出ができない場合におすすめなのが、踏み台昇降。テレビを見ながら、音楽を聴きながらでもできるのでおすすめです。踏み台は専用の商品も売っていますが、自作してもOK。いらなくなった雑誌を重ねて滑らないように布のガムテープでグルグル巻きに固定、これだけで出来上がりです。最初は無理せず低めの高さで行いましょう。
また、掃除は有酸素運動の代わりになります。特に雑巾がけのカロリーはウォーキングに匹敵するほど。雑巾がけはなんと30分で114カロリーも消費します(50キロの女性の場合)。運動する暇がないという方や今の時期あまり外に出られない、という方は家中をこまめに掃除するのはどうでしょうか?!家もキレイになってダイエットにも効果的です。
掃除とダイエットの関係の記事はこちらから→部屋が汚いと肌が汚くなるって本当?キッチンが汚いと太るという研究結果について
⑥ビタミンEの摂取
ビタミンEは血管拡張を促し、血管内で血液が固まるのを防ぎます。ビタミンEには血管を若々しく保ち動脈硬化を予防するとともに、おこってしまった動脈硬化を改善する働きもあることが分かっています。脳卒中、心臓病などの生活習慣病のリスクを減らす効果も期待できます。そのため、動脈硬化や生活習慣病のリスクが高まる閉経後の女性には特におすすめの栄養素です。ビタミンEはビタミンCとともに働く特徴がありますので、ビタミンCも一緒にとると良いでしょう。食品から摂る場合はアーモンド、オリーブオイル、アボカドに多く含まれています。
⑦マグネシウムの摂取
マグネシウムには血管を拡張させて血圧を下げたり、血栓を作りにくくしたりする作用もあります。マグネシウムが慢性的に不足すると虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まります。さらに、近年、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗しょう症、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性があると考えられています。マグネシウムはサプリメントで摂取すると効率が良いですが、食品から摂取する場合はほうれん草、バジル、落花生などに多く含まれています。
まとめ
まとめると閉経後の女性の身体は
①生活習慣病リスクが上昇する
②内臓脂肪が増えてお腹まわりが太くなる
③動脈硬化リスクが高まる
④骨粗しょう症リスクが高まる
⑤トレーニングの効果が出やすくなる
閉経後の女性がダイエットする際におすすめのこと
①糖質を食べすぎないようにする
②ジャンプ運動など骨に良いトレーニングを取り入れる
③強度の高すぎるウエイトトレーニングに注意する
④血流をよくするためにストレッチを行う
⑤ウォーキングなどの有酸素運動を行う
⑥ビタミンEを摂取する
⑦マグネシウムを摂取する
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