なぜ太ると生活習慣病にかかりやすいの?肥満になると病気になりやすい理由

 

白色脂肪細胞はたくさんのホルモンを作る工場だった!

 

太りすぎは身体のためによくない、というのは誰でも知っていることだと思います。ではなぜ太ることは健康によくないのでしょうか?

 

脂肪には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。褐色脂肪細胞についてはまた別途記事にする予定ですが、今回はなぜ太ると病気になりやすいのか?という理由を説明するために、白色脂肪細胞について深堀りしていきたいと思います。

 

 

白色脂肪細胞とは?

 

食べすぎると身体につく脂肪は白色脂肪細胞です。

 

白色脂肪細胞は、あまった脂肪をただ蓄えてるだけの倉庫と思われがちですが実は身体に必要なホルモンなど様々な物質を作っていて、忙しく稼働している工場なのです。例えば食欲を抑えるレプチンは白色脂肪細胞から分泌されています。またブドウ糖の取り込みを促し、傷ついた血管を修復して「動脈硬化」を抑制する効果のある「アディポネクチン」という物質も白色脂肪細胞から分泌されているのです。[1][4][8][9]

 

さらに、血液中からのブドウ糖の取り込みを抑制する効果があるとされている「TNF-α」「レジスチン」、止血効果を高める「PAI-1」なども白色脂肪細胞から分泌されています。[1][4][8][9]

 

30年くらい前までは脂肪はただの余ったエネルギーの貯蔵庫だと思われていました。しかし、このように身体に必要な物質をたくさん生産していることから現在では白色脂肪細胞は体内最大の「内分泌器官」ともいわれています。

 

白色脂肪細胞は身体にとって非常に大切な細胞なのです。

 

肥満になると脂肪細胞に異常が発生する

 

 

肥満になると脂肪細胞が膨れ上がります。すると、脂肪細胞から分泌されるホルモンの量が変動してしまうことがわかっています。(これ以降の記述 脂肪細胞=白色脂肪細胞のこととなります)[1][4][9]

 

簡単にいうと太りすぎが原因で脂肪細胞がふくれあがり異常が発生してホルモン分泌がめちゃくちゃになってしまうということ。

太りすぎると脂肪細胞はどうなってしまうのか、少し難しい単語が出てきますが、詳しく説明していきます。

 

【太ると脂肪細胞からの分泌が増加】

  • レプチン
  • TNF-α
  • レジスチン
  • アンジオテンシノーゲン
  • PAI-1など

 

【太ると脂肪細胞からの分泌が減少】

  • アディポネクチン

 

肥満によって脂肪細胞から分泌されるTNF-αとレジスチンの量は増加します。TNF-αとレジスチンは脂肪細胞へブドウ糖の取り込みを抑制する効果があります。そのため、血液中のブドウ糖は脂肪細胞へと取り込まれにくくなり「高血糖」の状態になります。ブドウ糖は「酸化」などにより血管を傷つける性質があるため、高血糖の状態が続くと、血管の劣化が進んでしまうのです。またアンデオテンシノーゲンの分泌が多くなると血管は収縮して細くなるため、血圧が上昇します。[1][2][8][9]

 

レプチンはたくさん出るようになりますが、これがまた問題となります。レプチンが分泌され過ぎると今度は「レプチン抵抗性」という状態になり、レプチンがたくさん出ても効かなくなってしまうのです。つまり食べても満腹を感じにくくなってしまうということ。そして、ますます食べすぎるようになってしまいます。[2][4][9]

 

高血圧の状態は血管に負担をかけ、血管の劣化を促進する原因となります。さらに膨れ上がった脂肪細胞からは中性脂肪が「遊離脂肪酸」となって漏れ出てきます。これが原因となり、血液中の脂質の濃度が高すぎる「脂質異常症」を引き起こします。[2]

 

アディポネクチンというホルモンは糖代謝と脂質代謝を促進し、炎症を抑え動脈硬化を抑制してくれる働きをしています。しかし困ったことに、アディポネクチンは肥満になり脂肪細胞がふくれて異常をおこすと減少してしまいます。そして、止血効果を高めるPAI-1が肥満により増えることで血液も固まりやすくなっています。PAI-1の増加により「血栓」もできやすくなり動脈硬化がすすんでしまうという、恐ろしい悪循環に陥るのです。[1][4][9]

 

 

太りすぎると身体によいホルモンは出にくくなり、悪影響を及ぼすホルモンがたくさん分泌され、これだけの健康被害がでてしまうのです。

 

 

肥満→動脈硬化が引き起こす病気

 

 

心筋梗塞 (動脈硬化によって心臓へと栄養を送る血管がつまる)
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血 (脳内で血管の梗塞や血管の破裂がおこる)
腎臓病 (高血糖が続くことにより、腎臓の血管が劣化しろ過装置がダメになる)
糖尿病 (高血糖によりひきおこされる)
眼病 (眼の網膜にある細い血管がダメージをうけると失明にむすびつく)

 

これらの病気は元をたどれば、肥満が原因となっていることが多々あります。しかも、肥満は血管を劣化させることで脳の病気も招いています。また肥満はがんやアルツハイマー病とも関係が深いといわれています。[3][7]

 

肥満を予防するだけで、防ぐことのできる病気はたくさんあるといわれています。運動や食生活は私たちの寿命や健康に直結しているので、自信のない方は一度現在の生活を見直してみるほうが良いかもしれません。[5][6]

 

カバンや靴は買い替えることができますが、私たちの身体は新しいものに取り換えることはできないのですから。

 

 

内臓脂肪はなぜ悪いの?

 

 

白色脂肪細胞は脂肪をためるほか、さまざまなホルモンを出す役割を持っています。ところで、皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが身体によくないというのは聞いたことがありますよね。

 

なぜ内臓脂肪のほうが、悪者扱いされるのでしょうか?

 

実は、内臓脂肪がよくないと言われている原因は内臓周辺に蓄積する脂肪は代謝が盛んで、内臓脂肪が出すホルモン量が皮下脂肪よりも多いからなのです。[8][9]皮下脂肪はふくれあがるよりも数が多くなる傾向にあるのですが、内臓脂肪は大きくふくれあがりやすいため異常な脂肪細胞になる可能性が高いのです。[9]

 

単純に言い換えてしまうと、皮下脂肪のほうがおとなしく、内臓脂肪のほうが暴走しやすいんです。そして肥大してしまった脂肪細胞は私たちの想像以上に悪行をはたらいているのです。

 

女性よりも男性のほうが男性ホルモンの影響で内臓脂肪が多くなりやすいため特に要注意です。また閉経後の女性もホルモン変化によって内臓脂肪が一気に増えやすい状態になりますので、気をつけたほうが良いでしょう。

 

 

まとめ

 

 

肥満になると見た目が太ってくるだけではなく、脂肪細胞が数々の悪さをすることによって私たちの健康状態を悪化させることがわかりました。また内臓脂肪はさらにホルモン分泌が多いため、皮下脂肪より厄介な存在だということも理解していただけたと思います。

 

そして、肥満を予防、改善するためにはやはり適切な食事と適度な運動が欠かせません。肥満から発生する病気を予防するためには適切な食生活と運動以外には解決方法はないと言っても過言ではありません。[5][6]わかってはいるけど一人ではなかなか難しいという方は是非一度5REPSの無料カウンセリングにお越しください!

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参考文献

[1]メタボリックシンドロームと脂肪細胞 Metabolic syndrome and adipocyte 坂本 亘、藤井 義博;藤女子大学QOL研究所紀要 3(1), 5-10, 2008-03 藤女子大学QOL研究所

[2]肥満と肥満症 Diagnosis and Related Examinations ; 1. Obesity and obesity disease 宮崎 滋
MIYAZAKI Shigeru;日本内科学会雑誌 100(4), 897-902, 2011-04-10 一般社団法人 日本内科学会

[3]中年期から高齢期の肥満と脳萎縮,アルツハイマー病 Association of midlife and late-life obesity with brain atrophy and Alzheimer’s disease. 杉本大貴、櫻孝、 肥満研究 (日本肥満学会誌)26巻2号、231-237 、2020年08月25日

[4]PPAR_γ とアディポネクチンによる糖・脂質代謝制御メカニズムの解明 The mechanisms by which PPAR.GAMMA. and adiponectin regulate glucose and lipid metabolism. 加門 淳司、山内 敏正、寺内 康夫 [他]日本薬理学雑誌 122(4), 294-300, 2003-10-01 公益社団法人 日本薬理学会

[5]食と病 : 生活習慣病を例として Food and Disease : The Etiological Background of So-called Lifestyle-related Diseases 渡辺 毅 福島県立医科大学第三内科 日本栄養・食糧学会誌 = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 57(1), 15-19, 2004-02-10 公益社団法人 日本栄養・食糧学会

[6]生活習慣病予防のための食事・運動療法の作用機序に関する研究 Prevention of Lifestyle-related Disease by Regular Exercise and Fish Oil Feeding 江崎 治、日本栄養・食糧学会誌 : Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 59(6), 323-329, 2006-12-10 公益社団法人 日本栄養・食糧学会

[7]肥満症と癌 Cancer associated with obesity 河田 純男、日本内科学会雑誌 100(4), 975-982, 2011-04-10 一般社団法人 日本内科学会

[8]第124回日本医学会シンポジウム 肥満の科学[ III ]脂肪細胞のバイオロジー3.脂肪細胞の機能と制御―アディポサイトカインと転写因子―下村 伊一郎

[9]アディポカイン Adipokines 八巻 幸二 日本食品科学工学会誌 :   Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 57(7), 319, 2010-07-15

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